10月30日 (月)  加工品

先日、トラックに荷物を積んで、現場へ向かう途中、金物屋へ寄りました。買い物を済ませてトラックに乗ろうとしたら、どこかで見たことあるような大工さんが、積荷の材料を見て声をかけてきました。「この材料は、加工屋で、やってもらったのか?」この材料とは、サッシの窓枠に使うために削ったホワイトアッシュという名前の材料でした。綺麗に削って、角を銀杏面という加工を施してありました。「うちの工場で、加工したんですよ・・珍しいですか・・?」「これは、堅い木だから、普通自分では、やらんやろ」「べつに、普通に加工するだけですよ・・」と答えました。ホワイトアッシュは、野球のバットに使用する材料です。イチローのバットもそうです。・・確かにホワイトアッシュは、堅くて加工しづらいから、最近は、買ってくれる人が、少なくなったと材木屋が、言ってた記憶があります。・・大手ハウスメーカーや建売りでも窓枠に使用している材料は、既製品ばかりです。取り付ける手間は、加工していると採算が合わないからでしょう・・でも、既製品は、ベニヤや集成材がほとんどで、どうかすると、MDFというダンボールを固めた紙で作られていることもあります。粗悪品もたくさんあり、ビスの効かないものもあります。ホワイトアッシュで作った窓枠は、クリアーで、塗装するだけで、とてもいい光沢をだしてくれます。少し、手間をかけることで、窓の表情は、グッと高級感をだしてくれると思っています。最近は、自分たちで、加工して取り付ける大工さんが、ほとんどいなくなったと、材木屋の営業マンが、嘆いてました。お客さんが、お金を出してくれないこともあるでしょうけど、只の取り付け屋じゃ、価値がないように思ってしまいます。
昔の大工さんや職人は、手間暇を惜しむことは、しませんでした。みんなサラリーマン化してしまったとベテランの職人さんたちは、嘆いています。時間に追われ、納期に追われ、お金だけのために仕事をすることは、悲しいです。仕事をすることを喜びとしていた時代は、もう戻ってこないかもしれません。・・博康